東京五輪に向けて新たに整備されたボート競技の会場・海の森水上競技場。8月7日から11日にかけては世界ジュニアボート選手権が行なわれ、世界各国から詰めかけた多くの観衆でにぎわいました。
しかし、好天に恵まれたことで会場は大変な暑さになりました。運営側は瞬間冷却材や塩飴、手ぬぐいといった暑熱対策グッズを配布したほか、移動のシャトルバス乗り場ではテント内にミストシャワーを設けるなど対処をしましたが、まさに「焼け石に水」という状態でした。
周辺には高い建物もなければ植木すら生えていない切り拓かれた立地条件と、予算を切り詰めた影響もあって半分しか屋根がかかっていないグランドスタンドの設計から、多くの観衆が常に日なたにいつづける格好に。しかも、グランドスタンドが南東向きに設置されているために、競技時間帯である午前〜午後にかけて正面からの日差しを常に浴びつづけることになりました。これは体力に自信がある成人にとっても過酷な環境でした。
2020年までに周辺地域へのテント・屋根の設置など対策は進めることになるでしょうが、これから会場全域に日陰を作るのは困難でしょう。観衆も帽子や日傘で自衛したほうがよさそうです。そのような日差しへの自衛策を考えたときに浮上してくるのが一番ランクが低いはずの「C席」です。東京五輪チケット販売サイトでのシートマップによれば、グランドスタンド側に自由席のA席とB席、そして対岸側にC席として立見の自由席を設けることになっています。
グランドスタンドは南東向きで日差しを正面から受ける格好ですが、対岸であれば日差しは背中から受ける形となります。さらに立見ということで、ある程度スペースの融通も効きやすいと思われ、日傘やつばの広い帽子なども使いやすくなるでしょう。グランドスタンドの屋根がない部分が該当すると思われるB席よりも、はるかに観戦環境はよくなるはずです。
風力発電の風車が設置されるなど海からの風が安定して吹いている場所でもあり、日傘などで日光さえ凌げれば、体感としては快適に過ごすことができる海の森水上競技場。値段もB席に比べて500円安くなりますので、第一次抽選の追加販売でボート競技を狙っている方は「あえてのC席狙い」というのもよいのではないでしょうか。
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出典:Livedoor Sports Watch