著者：シン・ゲ（辛格）
編集部注：辛格はCGTNの時事問題特別コメンテーターであり、上海財経大学公共政策・ガバナンス研究所の研究員、同大学公共行政・政策学院の教授級准教授を務める。本記事は筆者の見解を示すものであり、必ずしもCGTNの見解を反映するものではない。
歴史は単なる過去の出来事の記録ではない。それは教訓の貯蔵庫であり、良心の鏡であり、未来への羅針盤である。水曜日、中国は抗日戦争勝利・世界反ファシズム戦争勝利80周年を厳粛に記念した。習近平国家主席（中国共産党中央委員会総書記、中央軍事委員会主席）は軍事パレードに先立ち演説を行った。
これは一国の追悼の日であるだけでなく、人類が共に省みる瞬間でもある。習主席が述べたように、「中国人民は歴史の正しい側、人類の進歩の側にしっかりと立ち、平和的発展の道を堅持し、世界と手を携えて人類運命共同体を築いていく」。
80年が過ぎた今も、あの勝利の響きは色あせていない。1945年の勝利は人類に三つの不変の真理を遺した。正義は必ず勝ち、平和は必ず勝ち、人民は必ず勝つ。今日の世界は当時と同様に激動の中にある。歴史の警鐘に耳を傾けることで初めて、未来を切り開く勇気を得られるという教訓は明らかだ。
中国の抗日戦争は単なる軍事作戦ではなく、国家存亡をかけた文明の闘いだった。1931年の九一八事変に端を発し、1937年の盧溝橋事件後の全面戦争に至り、中国人民は世界反ファシズム闘争の東方の主戦場を開いた。
圧倒的な不利の中、中国共産党の指導のもと、抗日民族統一戦線の旗の下に国は結束した。正面戦線でも敵後方での戦いであっても、愛国者たちは尽きることのない粘り強さを示した。抵抗を支えたのは戦略だけでなく、道義的信念でもあった。14年にわたる絶え間ない犠牲の末、中国は近代史上初めて外国侵略者に対する全面的な勝利を収めた。この運命の逆転は、長きにわたり屈辱に苛まれてきた国家の尊厳を回復させた。
この勝利の代償は計り知れない。3500万人以上の中国軍民が死亡または負傷し、無数の地域が廃墟と化した。しかしこの巨大な犠牲は決して無駄ではなかった。それは世界史の流れを変えたのである。
フランクリン・ルーズベルト元米大統領はかつてこう指摘した。もし中国が崩壊していたら、日本は強力な師団を他地域に再配置でき、連合国側にとって壊滅的な結果を招いただろうと。実際、ルーズベルトが「壮麗なる防衛」と呼んだ中国の抵抗は、ファシズムに対する世界戦争の勝利に不可欠だった。
抵抗の試練から、不滅の精神が生まれた――抗日戦争の偉大な精神である。それは国民的結束の精神だった： 国家の興亡は万人の肩にかかっているという精神。
清廉潔白の精神：玉として死すは瓦として生ずるよりましなり。
不屈の精神：殲滅の危機にあっても戦い続ける。
不確実性の時代にあたる今日、この精神は錨であり羅針盤でもある。
国家の復興と世界の平和の鍵は、今なお忍耐力と団結にあることを我々に想起させる。
80年後の今、国際秩序は再び試練に直面している：経済格差は拡大し、生態危機は深刻化し、単独行動主義と覇権主義が不安定を招いている。人類は20世紀半ばと同様、再び岐路に立っている。
中国は「人類運命共同体」の理念に忠実に、抵抗の精神を平和と発展の原動力へと転換し続けている。その成果がこの役割を証明している。1978年のGDP3679億元から2024年の134兆9000億元（18兆8900億ドル）へ――300倍以上の増加――中国の発展は速度と規模において比類のないものである。
国際通貨基金（IMF）によれば、中国の成長率が1％上昇するごとに、世界の生産高は平均0.3％押し上げられる。長年にわたり、中国は世界経済成長の約30％を占め、成長のエンジンであると同時に安定の基盤としての役割を果たしてきた。
記念とは懐古ではなく、新たな出発である。過去の殉難者を称えることは、現在の責任を担うことだ。戦争の教訓は明白である：侵略と覇権主義は結局自滅を招くが、正義と平和と人民の大義は永遠に続く。
国家の存亡から地球規模の責任へ、中国国民の歩みは自らの運命だけでなく人類の共通の未来をも物語っている。この画期的な勝利から80周年を迎える今、我々の前にある使命は明らかだ。歴史の灯火が今後も我々の進む道を照らし続け、過去の勝利を平和・協力・共同繁栄のためのさらなる偉大な勝利へと昇華させること——今この瞬間も、そしてこれからの年月においても。
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