使ってみるとびっくりするくらい手に馴染む!FCNT復活の狼煙となる「arrows We2 Plus」のレビュー(後編)をお届け |
既報通り、Lenovo Group(以下、レノボ)傘下として再スタートしたFCNTが展開する「arrows」ブランドの2024年モデル「arrows We2」シリーズの上位機種「arrows We2 Plus」が2024年8月9日(金)より順次販売されており、まずはNTTドコモ向け「arrows We2 Plus F-51E」が8月9日に発売されたほか、続いてオープン市場向けのメーカー版(いわゆる「SIMフリーモデル」)「arrows We2 Plus M06」が8月16日(金)に発売されています。また楽天モバイル向け「arrows We2 Plus M06」も2024年10月15日(火)に発売される予定となっています。
なお、メーカー版は販路が量販店やECサイト、仮想移動体通信事業者(MVNO)などとなっていますが、このうちのMVNOではインターネットイニシアティブ(以下、IIJ)が販売するモデルのみ内蔵メモリー(RAM)が12GBに増強された限定モデルとなっています。価格(金額はすべて税込)はNTTドコモ版が公式Webストア「ドコモオンラインショップ」などの直営店で62,150円(残価設定方式の販売施策「いつでもカエドキプログラム」適用で23カ月後に返却した場合の実質負担額は41,030円)、メーカー版が指希望小売価格で59,950円、IIJ限定モデルが54,800円、楽天モバイル版が49,900円となっています。
そんなarrows We2 Plusですが、世界初となる自律神経測定センサーを搭載したスマホという点が訴求されているものの、それだけでなくミッドハイレンジクラスのバランスの取れた性能のほか、長年に渡って日本向けにフィーチャーフォン(従来型携帯電話)やスマホを開発してきたメーカーらしく、防水・防塵や耐衝撃などの頑丈さや外部メモリースロットおよびイヤホンマイク端子の搭載などといった日本の利用者から少なくない規模で求められている機能を網羅しつつも、手に取りやすい本体価格を実現した“性能も価格もちょうどいいスマホ”となっています。
筆者もarrows We2シリーズの発表会に参加し、arrows We2 Plusをタッチ&トライして以来、arrows We2 Plusに魅力を感じていたところ、FCNTより長期でarrows We2 Plusをお借りできることになり、前回のレビューではプリインストールアプリの紹介やベンチマークアプリでの結果などのファーストインプレッションをお送りしていましたが、後編となる本記事では筆者が実際にarrows We2 Plusをしばらく使ってみて気が付いた点や気になった点などをご紹介したいと思います。
【使ってみて気が付いた「あらゆる点で平均以上の満足度」】
使っていて不満な点を特に感じないという地味ながらも大きいポイント
なんだかいきなりまとめのようなポイントになってしまいますが、arrows We2 Plusは本当に使っていて特に大きな不満が出てこない、ストレスがないスマホだと感じています。とことんまでカメラ機能や基本スペックを追求した最上位モデルやゲーミングスマホなどと比べてしまうと、確かに譲ってしまう面も多いのですが、WebブラウザーやSNS、ゲームアプリなど、なんでもそこそこ平均以上にこなせるというのは多くの人に勧めやすく、いわゆるハイエンド以上の価格帯のものは躊躇があるけども、できるだけ長く使える機能や基本スペックがあるものが欲しいと考えている層には刺さりやすい長所ではないでしょうか。
CPUブーストのような機能はないものの、ゲームアプリで遊ぶのには実用的な項目はしっかりを抑えられている「ゲームチューニング」機能
また基本スペック以外の部分においてもDolby Atmos対応のステレオスピーカーを搭載しているほか、防水(IPX5・IPX8準拠)および防塵(IP6X準拠)、23項目のMIL-STD-810H(米国国防総省調達基準)に対応したタフネス性のほか、ハンドソープによる本体の丸洗いも可能であるなど、広い範囲での使う人の職業や環境に対応しているのも多くの人に勧めやすいポイントではないかと思います。その上で、特に良いと思った点や気になった点を以下にまとめていきます。
【特徴的な独自機能は慣れるととっても便利】
arrows We2 Plusだけではなく、arrows We2シリーズにはarrowsシリーズのスマホとしてはお馴染みの「Exlider」や「スライドイン(ランチャー)機能」、「FASTフィンガーランチャー」などの機能が備えられており、うまく活用すると更にに便利なオペレーションができます。特にこれまでもarrowsを利用していた人の要望として復活したExliderはWebブラウザーやSNSなどのほか、アルバムアプリなどの画面スクロールを画面に触れずに実行できるため、かなり便利に使えます。
これまでExlider機能を試したことがない人でもすぐに慣れるので是非是非試してみましょう
またスライドイン機能とFASTフィンガーランチャーはどちらもその名の通りのランチャー機能で、スライドイン機能は画面点灯時に画面端のスワイプスポット(高さの位置を変更可能)からスワイプするとサークル上に並んだ登録アプリが表示され、そこからアプリや機能を呼び出すという機能となっており、ホーム画面にアプリをなるべく置かずにいたい人や1画面内にアプリアイコンを収めたいが、収まりきらないアプリをここから呼び出すようにしたいといった使い方もできます。
一方、FASTフィンガーランチャーは指紋と対応したアプリを紐づけ登録をしておくことで、画面消灯時の状態から指紋センサーに読み込み時に紐づけていたアプリが直接立ち上がるようになっており、なるべく早くカメラ機能を利用したい場合や支払い時にコード決済アプリなどをすぐに呼び出したりなどといったときに便利に利用可能です。なお、前述通りにこれらの機能は姉妹機種の「arrows We2」でもこれらの機能は利用可能ですが、チップセット(SoC)やRAMに大きな余裕があるためか、arrows We2 Plusの方がよりスムーズに動作します。
スライドイン機能(左側)とFASTフィンガーランチャーの設定画面(右側)
【どう使う?自律神経測定機能】
続いてスマホへの搭載は世界初となる自律神経測定機能については日々の生活の目安を計るのには目を引くユニークな機能ではあると思いますが、これを「老若男女すべての人にオススメする機能であるか?」と言われると筆者の個人的な主観としてはちょっと解りかねるように思います。どちらかといえば、成人から中高年以上の人には一定の需要や訴求力のある機能だとは思いますが、10代の人にはフックにはなりづらい気もします。また1回の計測にそこそこ時間がかかるのも気になりました。
本機の目玉機能の一つでもある自律神経測定機能ですが……カメラの下にあるの細長いセンサーが自律神経測定センサー
とはいえ、健康志向な人にはある程度の訴求しやすい要素でもあることからこの要素については「強く刺さる人とそうでない人がハッキリと分かれる」ポイントではないでしょうか。
中高年齢層にとって「健康」は大きいテーマなのは確かで、計った数値が話のタネになったりもするんですよね……そんな筆者も中高年
【大きく見直しがされ、十分に綺麗な写真の取れるカメラ機能】
arrows We2 Plusのリアカメラは約5010万画素CMOS/広角レンズ(光学手ブレ補正あり)と約800万画素CMOS/超広角レンズのデュアル構成で、夜間撮影時にはオートで「Super Night Shot」モードの項目が表示されるなど、手軽に明るい写真の撮影が可能になっているほか、過去のarrowsシリーズのスマホにも搭載されていた「Photoshop Express」モードも引き続いて採用されています。
さすがにカメラ特化モデルや大手のフラグシップ級モデルのレベルまでとは言いませんが、過去のarrowsシリーズのスマホと比較しても大きな進化となっていると思います。ただし、夜間撮影などは撮影に時間がかかるのは改善できるならお願いしたいところです。実際にarrows We2 Plusにて撮影した写真の作例をいくつか用意しましたのでご覧ください。写真についてはオートモード(Super Night Shotモードの表示が出た場合にはそれを選択)で撮影し、リサイズのみ行っています。
特にSuper Night Shotモードは強力で、手ブレなどに気を付ける必要はありますが、以下の作例を見ての通り、光源のごく少ない「暗所」での撮影も可能となっています。
【気になった・次モデルで搭載して欲しいものなど】
続いてarrows We2 Plusを使っていて気になったや今後の製品も含めてこうして欲しいと思った点をいくつか挙げておこうと思います。
・ワイヤレス充電(Qi)へ対応して欲しい
これだけの性能と機能を備えていますが、コストの点なのかQiなどのワイヤレス充電には非対応になっています。仮に「自律神経測定センサーとワイヤレス充電を二者択一」で選べるなら筆者ならワイヤレス充電を選んでいたかと思います。自律神経測定機能は意欲的な試みだとは思いましたが、現在開発中とされる「らくらくスマートフォン」シリーズへの搭載に絞っても良かったのかな、とも思います。(そうなると中高年層以外のユーザーにリーチできない機能となってしまうので、そこは難しいのかな、とも思いますが。)
・本体カラーが無難すぎる
arrows We2 Plusのカラーバリエーションは「スレートグレイ」および「シャンパンシルバー」の2色で、どちらも落ち着いた色合いのものとなっています。しかしながら、広い層へ薦めやすいスマホだからこそ、もっと攻めたとはいかないまでも、もう少し鮮やかなカラーパターンが欲しかったと思います。筆者としてはホワイトやブラック、レッドなどがあってもいいのではと思っています。
【まとめ】
・平均点の高い性能と機能に手に取りやすい本体価格のバランスが抜群の2024年ミドル〜アッパーミドル帯のダークホース
操作感や動作面においては特に大きな不満はなく、「過不足なく使っていける」、ではなく“全方向に対してちょっといい感じに使えるスマホ”だと思います。またスマホとしては世界初搭載となる自律神経測定機能が目立ちますが、全体的なスペックもミドルレンジ以上の使い心地と性能を備えており、Androidスマホで選ぶ機種を迷ったらarrows We2 Plusを選んでおけば失敗はしないという1台に仕上がっていると思います。
本体色やデザインが少々無難すぎる面もありますが、奇をてらったものでもなく多くの人に薦めやすいものと受け取ればさほど問題でもないかもしれません。価格と性能のバランスも良好で、比較的手の出しやすい本体価格(特に楽天モバイル版やIIJ版)なのも大きいポイントで、筆者としては2024年のミドルからミドルハイレンジクラスのAndroidスマホにおいては最良の1台になれるかもしれないと思っています。目立つ派手さはないですが、長く堅実に使えるAndroidスマホとしては抜群にオススメできる機種に仕上がっているのではないでしょうか。
これだけの性能・機能・耐久性を考えると、抜群の価格対性能比を持った1台ではないでしょうか
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出典:エスマックス