Googleが新スマートフォンGoogle Pixel 8とGoogle Pixel 8 Proで初の7年間アップデートをサポートへ


既報通り、Googleは4日(現地時間)、自社開発の新しいチップセット(SoC)「Tensor G3」を搭載してAIを中心としたさまざまな機能に対応した5G対応フラッグシップスマートフォン(スマホ)「Pixel 8」と「Pixel 8 Pro」を発表しました。日本を含む1次販売国・地域では2023年10月12日(木)に発売され、Googleの公式Webショップ「Google ストア」ではすでに10月4日(水)23:30より順次予約受付が実施されています。

日本ではGoogle ストアの他にも移動体通信事業者(MNO)のNTTドコモやKDDIおよび沖縄セルラー電話の携帯電話サービス「au」、ソフトバンクの携帯電話サービス「SoftBank」からも販売され、これらのMNOでもそれぞれ10月12日に発売され、予約は10月4日(木)9時から予約受付が実施されています。

今回のPixel 8とPixel 8 Proの大きな特徴としては搭載する「Android」のOSバージョンアップや新機能が追加される「Pixel Feature Drop」、そして毎月提供されているセキュリティパッチとしった各々のアップデートの提供期間が発売されてから7年間に伸びた事が挙げられます。

これまでもPixelスマホはOSバージョンアップや新機能追加、セキュリティーの強化、バグの修正など、定期的にソフトウェア更新が提供されていますが、これまでの製品ではその保障期間が発売後5年間まででした。しかしながら、Pixel 8とPixel 8 Proではさらに2年間延長され、最長7年間に渡って最新のOSと機能、セキュリティーが提供されます。

具体的にはPixel 8とPixel 8 Proは2030年10月までAndroidの最新バージョンと新機能、セキュリティーのアップデートの提供が保証されます。そこで本記事では過去のPixelの各製品におけるアップデート保証期間を紹介しつつ、他社のアップデート状況などをまとめて紹介したいと思います。


Pixel 6 以降(Pixel Foldを含む)アップデートの提供保障期間。なお、発売日はアメリカのGoogle Storeでの販売開始日となっています

Googleでは同社が「Made by Google」として自社ブランドで展開しているPixelシリーズのスマホやタブレットに対して毎月のセキュリティーアップデートに加え、四半期(3カ月)ごとにPixel Feature Dropとして新機能を追加しているほか、毎年秋頃にOSであるAndroidのメジャーバージョンアップを提供しています。

特にPixelではAndroidの最新バージョンにいち早くアップグレートできたり、毎月きっちりとセキュリティーアップデートが提供されていることから開発者だけでなくセキュリティー意識の高い人や新機能をいち早く試したい人などに好評となっており、日本では特にここ数年は販売台数を伸ばしてシェアを伸ばしています。

そんなPixelシリーズですが、今回、新たに発売されるPixel 8とPixel 8 Proでは何と7年間もOSバージョンとPixel Feature Drop、セキュリティーパッチが提供されることになりました。なお、これまでのPixelのスマホやタブレットではPixel 6シリーズ以降では3年間のOSバージョンアップと5年間のセキュリティーアップデートとなっています。

そのため、OSバージョンアップはPixel 6やPixel 6 Proが2024年10月まで、Pixel 6aが2025年7月まで、Pixel 7やPixel 7 Proが2025年10月まで、Pixel 7aが2026年5月8日まで、Pixel Foldが2026年6月26日まで、セキュリティーアップデートはPixel 6やPixel 6 Proが2026年10月まで、Pixel 6aが2027年7月まで、Pixel 7やPixel 7 Proが2027年10月まで、Pixel 7aが2028年5月8日まで、Pixel Foldが2028年6月26日までとなっています。


Pixel 4、4 XL、4a、4a (5G)、5、5a (5G) の提供保障期間

一方、Pixel 6シリーズ以前ではPixel 4シリーズ以降が3年間のOSバージョンアップとセキュリティーアップデートが保証されており、直近ではPixel 4aがAndroid 14へのOSバージョンアップ対象機種から外れており、Pixel 4やPixel 4 XLのほか、さらに以前のPixel 3a、Pixel 3a XL、Pixel 3、Pixel 3 XL、Pixel 2、Pixel 2 XL、Pixel、Pixel XLについてもアップデート提供は終了しています。

ただし、過去の例からセキュリティーアップデートについては保証期間を過ぎても稀に提供されることもあるので、直近に終了したPixel 4aなどについては今後にまったく提供されないというわけではありません。とはいえ、Pixel 8やPixel 8 Proの7年間はなかなか思い切った保証期間だと思われます。

これにより、これまではソフトウェア更新の点で競合のAppleの「iPhone」シリーズと比べて劣るとされていましたが、例えば、iPhoneでは2017年11月に発売された「iPhone X」が今年9月に提供開始された「iOS 17」の対象とはならなかったため、OSバージョンアップについては5年間となり、単純なソフトウェア更新という面ではPixel 8やPixel 8 Proのほうが優位になったとも言えるでしょう。


AQUOS sense8では最大3回のOSバージョンアップと5年間のセキュリティーアップデートを保証

その他、Pixelと同じAndroid勢では日本ではサムスン電子の「Galaxy」が最大で4世代のOSバージョンアップと5年間のセキュリティーアップt−とを保証しており、また先日に発表されたシャープの「AQUOS sense8」では新たに発売時から最大3回のOSバージョンアップと5年間のセキュリティーアップデートに対応しました。

こうしたソフトウェア更新の保証期間が長くなってきたことにで、本体価格の高騰が続くスマホ市場ではAndroidスマホもiPhoneのように中古市場が活気付いてきそうです。ただし、iPhoneでは長く使えるための施策として補償サービス「Apple Care+」があり、Apple Care+に加入していれば電池パックの交換は無償で受けられ、電池交換を含めた修理などのサポート拠点も多くあるのに対し、Pixelではこうしたアフターサポートが今後課題となりそうです。

記事執筆:庄司恒雄

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