FNCTの携帯電話端末事業をLenovo Groupがスポンサー支援!


今年5月30日に東京地方裁判所に民事再生手続開始の申立てを行ったREINOWAホールディングスの完全子会社であるFCNTについてLenovo Group(以下、レノボ)がスポンサー支援の意向表明を行っていたことが東京地方裁判所へ2023年8月29日(火)に提出された資料によって明らかとなりました。

資料ではレノボからスポンサー支援の意向がFCNTに2023年6月16日(金)に伝えられ、その後、FCNTにおけるスマートフォン(スマホ)などの携帯電話端末の開発・販売・修理などの主要事業について事業譲渡契約を2023年8月22日(火)に締結したとのこと。これを受けて一部メディアでは2023年9月22日(金)にも譲渡を完了する予定であると伝えています。ただし、審査の兼ね合いで事業譲渡日は流動的だとのこと。

なお、今回の事業譲渡にソリューション事業は含まれていないとし、今後はレノボが出資して設立される新会社「FCNT合同会社」が携帯電話端末の開発・販売・修理の事業を引き継いて今月中にも事業を再開する見通しで、事業譲渡による事業譲渡代金を主な弁済原資として弁済を行う再生計画案となるということです。

REINOWAホールディングスおよびFCNT、JEMSは2018年に富士通の連結子会社でスマホなどの携帯端末事業を担う富士通コネクテッドテクノロジーズ(現、FCNT)と富士通周辺機(FPE)の携帯端末製造事業(社工場)を承継する新会社をポラリス・キャピタル・グループ(以下、ポラリス)が買収して設立されました。

その後、富士通コネクテッドテクノロジーズはFCNTと社名を変え、前身である富士通の携帯端末事業本部が2000年に操業を開始して以降、REINOWAホールディングス傘下のREINOWAグループとして現在まで「arrows」シリーズや「らくらくスマートフォン」、「らくらくホン」などの携帯端末の企画・開発などの事業やらくらくシリーズなどのシニア向けSNSサービス「らくらくコミュニティ」の運営を行う事業など、JEMSはFCNT向け製品の製造・修理などを手掛けてきました。

しかしながら、携帯端末市場の成熟化などによって売上が伸び悩んだほか、昨今の円安の進行や世界的な半導体不足などの影響によって原価・費用が急激に高騰し、REINOWAグループの収益・資金繰りが急速に悪化する事態となり、収益改善・資金繰り維持のための取り組みを進めてしました。

REINOWAグループでは同時に並行してスポンサー支援による再建可能性も模索していましたが、今年5月にREINOWAホールディングスと同社の完全子会社であるFCNTおよびジャパン・イーエム・ソリューションズ(JEMS)が民事再生手続開始の申立てを行いました。

また民事再生手続を取ることを前提としてFCNTについては取引関係のある複数の事業会社よってシニア向けSNSサービスなどのスマホなどの携帯端末の利用に関連した各種サービスの提供などを承継・支援する旨のスポンサー支援の意向表明を受けているため、今後、東京地方裁判所および監督委員の監督の下でサービス事業などのスポンサーへの承継のために可及的速やかに事業譲渡契約の締結をめざす予定となっていました。

一方でプロダクト事業のうちのスマホなどの携帯端末の製造・販売事業については現時点において具体的なスポンサー支援の意向が表明されていない中で事業を継続することは極めて困難な状況にあるため、事業を停止していましたが、今回、レノボがスポンサー支援の意向をFCNTに伝え、事業譲渡契約が締結されたということです。

記事執筆:memn0ck

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・FCNTなどが民事再生開始!arrowsスマホやらくらくホンなどの携帯端末開発・製造事業は終了に。販売する携帯各社は修理などのサポート継続 – S-MAX
・「らくらくスマホ」のFCNT、プロダクト&サービス事業をレノボへ「譲渡予定」 | TSRデータインサイト | 東京商工リサーチ
・FCNTの携帯事業、レノボへ | 福島民報
・Investor Relations | レノボ
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