コンサートで日本語の名曲にオマージュ――マレーシア出身シンガー JessC、多言語戦略で国際音楽版図を拡大
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コンサートで日本語の名曲にオマージュ――マレーシア出身シンガー JessC、多言語戦略で国際音楽版図を拡大

マレーシア生まれ、現在はオーストラリアを拠点に活動するポップシンガー・JessC(ジェス・シー)が、独自のロックとバラードを融合させた音楽性、そして音楽と舞台演劇を横断する表現力で、近年アジア音楽シーンにおいて着実に注目度を高めている。シンガーでありながらソングライター、さらには舞台俳優としての顔も併せ持つ彼女は、多文化的なバックグラウンドと豊富なステージ経験を武器に、“オールラウンド・アーティスト”として存在感を放っている。

このほどJessCは、クアラルンプールでワールドツアー《I Am Who I Am(我就是我)》のアンコール公演を開催。これまで以上にスケールアップしたステージで、約3時間半にわたり40曲近い楽曲を披露した。歌唱とダンスに加え、複数の楽器演奏にも自ら挑戦するなど、まさに全力投球のパフォーマンスとなり、本人もステージ上で「今回は本当にプレッシャーが大きかった」と笑顔で語る場面が見られた。

2025年には中国語、マレー語、英語という三言語アルバムを同時展開し、音楽活動を一気に国際化させたJessC。今回のコンサートでも三言語の楽曲を織り交ぜた構成が話題となった。中でも注目を集めたのが、日本のレジェンド・五輪真弓の名曲「恋人よ」のカバーだ。


「マレーシアは多言語・多文化の国。会場には日本から来てくれたファンもいたので、感謝の気持ちを込めて日本語の楽曲を選びました」と、選曲の背景を明かしている。

公演後のインタビューでは、「故郷に近い場所での公演だったので、どこか“近郷情怯”のような気持ちがあった」と心境を吐露。ステージ上では感極まり、涙をこらえる場面もあったという。「これまで支えてくれたすべての人に感謝しています。この想いは一生忘れません」と語った。

さらにJessCは、次回のツアーではより多くの日本語楽曲を披露する意向も示した。
「歌いたい日本語の曲が本当にたくさんあります。いっそメドレーにして、まとめて届けたいですね」と笑顔を見せる。

彼女にとって日本語楽曲は、単なる一つのジャンルではなく、“世代の記憶”そのものだという。

「子どもの頃は国境なんて意識せず、いいメロディーが心に残っていました。日本の原曲だけでなく、香港や台湾のヒット曲の多くも日本語楽曲が原点でした。それらが私の感情表現やメロディー感覚を育ててくれたんです」と振り返る。

日本語楽曲の繊細さや豊かな感情表現は、JessCの創作にも大きな影響を与えてきた。「言葉が完全に分からなくても、物語が深く伝わってくる。声で“余白”を表現することを、日本の音楽から学びました」と語り、今回の「恋人よ」のステージについては「自分の青春と対話し、歌手としての原点に敬意を払う時間だった」と表現した。

2025年はキャリアの転換点とも言える年となり、中国語・インドネシア語・英語作品のリリースに加え、InterContinental Music Awards(ICMA)で「Best Asian Pop」を受賞。さらに、国際的に有名な音楽メディア『Rolling Stone』が2度にわたり彼女の活動を特集し、「注目の新進アーティスト」として名前を挙げたことも大きな話題となった。

ツアーを成功裏に終えた後も、JessCの歩みは止まらない。2026年には舞台作品のツアー出演を控えるほか、年間で中国語・英語・インドネシア語のアルバムを少なくとも3作リリース予定。下半期には新たなワールドツアーの開催も計画しているという。


「もし少し時間ができたら、日本語のアルバムやシングルにも挑戦したいですね」と語るJessC。日本語音楽への深い愛情を胸に、彼女の音楽地図はさらに広がっていきそうだ。

公式 YouTube チャンネル:

https://www.youtube.com/@JessC.Official

出典:Japan Net24 News