かぼすの後の静かな暮らし  千葉県佐倉市・佐藤敦子さんを訪ねて
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かぼすの後の静かな暮らし  千葉県佐倉市・佐藤敦子さんを訪ねて

午後の柔らかな陽射しが、千葉県佐倉市にある佐藤敦子さんの自宅の窓から差し込みます。木の床を歩く動物たちの足音だけが静かに響く、穏やかな空間です。この何気ない家が、インターネットで最も有名な存在のひとつを生み出した場所だとは、にわかには信じられません。

世界中の何百万人もの人々にとって、彼女はただ「かぼすママ」です。

かぼすが旅立った後も、世界中のファンから手紙や花、そして感謝のメッセージが絶えず届いています。佐藤さんは、多くの人々を魅了してきたあの変わらぬ優しさと謙虚さで、それらを受け取っています。

「日常の何気ない出来事を投稿したものが、こんなにも遠くまで届くなんて想像もしていませんでした」と、佐藤さんは微笑みながら話します。「かぼすは、ただ自然体で過ごしていただけなんです。特別になろうとしたことなんて、一度もありませんでした。」

部屋を見渡すと、多くの人が惹かれる理由がよく分かります。穏やかな空気が流れ、それぞれ個性を持った動物たちが思い思いに部屋を行き来しています。誰もが安心して暮らしていることが伝わってきます。

「私はいつも、動物は私たちに『ゆっくり生きること』を教えてくれると思っています」と佐藤さんは言います。「昨日のことも明日のことも気にせず、ただ今この瞬間を生きているんです。」

世界的なアイコンとなったかぼすですが、佐藤さんにとっては何よりも大切な家族でした。

「かぼすは本当はどんな子だったのですか、とよく聞かれます」と佐藤さんは笑います。「お散歩が大好きで、ごはんも大好き。そして皆さんが想像するよりずっと穏やかな子でした。有名になったあの表情は本当に一瞬の出来事。でも普段のかぼすは、毎日とても優しい子だったんです。」

話をしていると、一匹の猫が静かにテーブルへ飛び乗り、ノートを少しだけ覗き込むと、私たちのそばで気持ちよさそうに香箱座りをしました。

佐藤さんは何気なく手を伸ばし、その猫の耳の後ろを優しくなでます。

「この子は、海(うみ)です」と、佐藤さんは温かく紹介します。

海は満足そうにゆっくりとまばたきをします。その紹介がどれほど特別なものなのかなど、まったく気にしていない様子です。

「海は好奇心旺盛なんですよ」と佐藤さんは続けます。「家の中で起きていることをいつも観察しています。遊び好きな時もあれば、一人で過ごすことを好む時もあります。でも、自分から甘えたいと思った時は、とても愛情深い子なんです。」

その違いを思い浮かべると、佐藤さんは自然と笑みを浮かべます。

「動物はみんな、それぞれ違った個性を持っています。それが一緒に暮らす楽しさなんです。同じ子なんて、一匹もいませんから。」

今も世界中のファンが、佐藤さんと動物たちの暮らしを温かく見守り続けています。多くの人にとって、その日常は慌ただしい毎日の中で心を休めるひとときになっています。

「皆さんは、動物そのものだけを好きなのではないと思います」と佐藤さんは静かに語ります。「眠ったり、ごはんを食べたり、雨を眺めたり……そんな何気ない日常を楽しんでくださっているんです。そういう小さな瞬間が、『幸せは案外シンプルなものなんだ』と教えてくれるのかもしれません。」

海は大きく伸びをすると、ゆっくりとテーブルから降り、部屋の別の場所へ歩いていきました。ほんの数行の紹介によって、世界中の読者が初めてその名前を知ったことなど、まったく気づく様子もありません。