誘電体導波路にプラスチック小片を接触させると電波が漏洩する物理現象を利用!


NTTドコモは17日、ケーブルの近くに置くだけでその周辺に通信エリアを構築できるアンテナを世界で初めて開発し、60GHz帯での実証実験に成功したと発表しています。同社ではオンラインイベント「docomo Open House’22」( https://openhouse.docomo.ne.jp/ )にて同アンテナを紹介しています。

同社では2022年度上期からは5Gサービスで利用している28GHz帯(ミリ波)での同アンテナによる通信エリア構築の検証を開始し、実用化をめざすとし、今後も柔軟で効率的に高周波数帯の通信エリアを構築できるエリア化ツールの開発を通して5Gの利用シーンの拡大と6Gに向けた研究開発を推進していくとしています。

5Gサービスで利用している28GHz帯(ミリ波)や6Gに向けて開拓を進めているさらなる高周波数帯の電波は直進性が強いため、基地局から見通せない場所や周囲を障害物で囲まれた場所の通信エリア化が課題となっており、これまでも同社では5G以降の世代で利用される高周波数帯の安定した通信エリアをきめ細かく構築するためのエリア化ツールを開発してきました。

今回、高周波数帯の電波を伝搬するケーブル(伝送線路)である誘電体導波路を床や壁、天井、あるいは什器などに埋め込んでも埋め込まれた誘電体導波路の近傍に置くだけで通信エリアを構築できるアンテナを新たに開発し、このアンテナを活用することによって遮蔽物が多い環境下でも誘電体導波路で見栄えを悪くすることなく、きめ細かな高周波数帯のエリア構築が可能になります。

このアンテナは高周波数帯の電波を伝搬するケーブル(伝送線路)である誘電体導波路にプラスチック小片を接触させることで接触箇所から電波が漏洩するという物理現象を利用しており、誘電体導波路を埋め込んだ板に同アンテナ(プラスチック小片)を置くことによって実証実験を行いました。

その結果、60GHz帯においてその周辺に通信エリアを構築でき、複数の箇所に同時に同アンテナを置くと複数の場所で同時に通信エリアを構築できること、同アンテナの大きさや配置方法を変えることによって構築する通信エリアの範囲や方向をコントロールできることを確認したということです。

また同アンテナは誘電体導波路から離すことによって電波の漏洩を止めることも可能なため、無駄な電力放射の低減によるエネルギー利用の効率化にもつながるとしてます。なお、同社ではこれまでも同様の原理を用いてケーブルをプラスチック小片でつまむだけで通信エリアを構築できるアンテナを開発していました。

記事執筆:memn0ck

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