お掃除ロボット「yeedi vac 2 pro」と「セルフゴミ収集ステーション」を実機レビュー!


みなさんは「ロボット掃除機」を使ったことがあるでしょうか?日本では2015年頃から家庭用の小型ロボット掃除機がブームとなり、現在では10%程度の家庭で利用されているという調査データもあります。

筆者はこれまでロボット掃除機を使ったことがありませんでした。理由としては「部屋の掃除くらい自分でやるから問題ない」や「でもお高いんでしょう?」というよくあることを思っていたからです。

とはいえ、こういったガジェット関連のライターをしていることもあり、ここ数年はずっと気になっていた商品でもあったため、ECサイトでさまざまな種類のロボット掃除機が登場する中、一度は使ってみたいという思いがありました。

そんな中で今回、スマートフォン(スマホ)で管理が可能で水拭きもできるロボット掃除機「yeedi vac 2 pro」を試してみないかと当ブログメディア「S-MAX」の編集部より依頼があり、これは良い機会だと二つ返事で受けさせていただきました。今回はそんなyeedi vac 2 proをメーカーよりご提供いただいたので、実際に試してみた模様を写真と動画を交えてレビューしていきたいと思います。

なお、yeedi vac 2 proは大手Webストア「Amazon.co.jp」などで販売されており、セルフゴミ収集ステーションとセットになった「yeedi vac 2 pro+」の通常価格(金額はすべて税込)は72,000円で、Amazon.co.jpでは2022年12月1日(木)までブラックフライデーセールによって約10%OFFの64,800円で販売されています。


お掃除ロボットの実力や如何に!?

■水拭きに自動ゴミ収集に!高性能が光るyeedi vac 2 pro
今回試したロボット掃除機のyeedi vac 2 proは2019年に立ち上げられた比較的新しいロボット掃除機メーカーのyeediが開発した新製品で、同社の他の製品と同様にクラウドファンディングによって開発された経緯を持ち、2022年7月より一般販売が開始されています。

家庭用のロボット掃除機としては一般的な円盤型をしており、最大の特徴は掃除機としてゴミを吸引するだけでなく、水拭き清掃が可能である点とゴミ収集ステーションを利用可能なことです。なお、今回ご提供いただいた製品はyeedi vac 2 pro本体と、このセルフゴミ収集ステーションのセットになったyeedi vac 2 pro+です。

オンラインショップでの価格は、yeedi vac 2 pro本体のみで49,980円程度、セルフゴミ収集ステーションのセットが72,000円程度、セルフゴミ収集ステーションのみが29,800円程度となっています。本体のみでの価格はロボット掃除機の中でも比較的高めですが、水拭き機能がある点を考慮すると妥当な価格ではないでしょうか。


水拭きできるロボット掃除機はこれからの常識?

まずは本体の設置と利用までの設定です。本体はほとんど組み立て不要で、梱包から取り出してすぐに使えます。

水拭き用の「振動モッピングシステム」および「洗浄可能クリーニングクロス」(クリーニングクロス)はオプション扱いとなっており、水拭きが不要な場合はあらかじめ本体にセットしてある「代用モジュール」を装着しておくことで、水拭きしない通常の清掃が行われます(この点についての詳細は後述)。

セルフゴミ収集ステーションの組み立ても、ネジ3本で固定するだけと非常に簡単です。梱包物にプラスドライバーも付属しているため、購入すれば工具不要ですぐに組み立てられます。


組み立てや設置が簡単なのはとても嬉しい

またyeedi vac 2 pro本体にも充電のみが行える小型のドッキングステーションが付属しています。

どちらのステーションも自由に選択して利用できるため、部屋にセルフゴミ収集ステーションを置くスペースがない人やロボット掃除機にあまりお金を掛けたくないのでセルフゴミ収集ステーションは要らないという人でも安心です。


充電のみが行えるドッキングステーション。非常に小型で場所を取らない

セルフゴミ収集ステーションや充電のみのドッキングステーションで非常に便利だと感じたのは電源ケーブルの収納機能です。

各ステーションの背面に電源ケーブルを巻いておくスペースがあるため、部屋の間取りや置く場所に併せて電源ケーブルを適切な長さにして設置できます。

部屋の隅々までを掃除してもらいたいロボット掃除機なのに、電源ケーブルが邪魔で部屋の隅にゴミが残ってしまった、などという心配がないのはとても嬉しいところです。


セルフゴミ収集ステーション背面。家電品としての心遣いを感じる


ドッキングステーション背面。どんなに小型でもこういった配慮を怠らない点は高く評価したい

■スマホアプリ連携が凄い!ただし連携設定に若干の面倒あり
yeedi vac 2 proのもう1つの特徴はスマホアプリとの連携(紐付け)が可能であることです。これはメリットとデメリットをそれぞれ強く感じる点でもあります。

本機はスマホを使わずに単体でも動作可能ですが、スマホアプリと連携させることで、いわゆるスマートホーム家電としてスマホからの遠隔操作や動作予約が可能になります。

さらに現在の動作状況や掃除記録、トラブルの報告など、本体の情報を詳細に管理することも可能になります。


スマホアプリはシンプルで使いやすく操作に困ることはない

スマホアプリの利用は非常に便利である一方で、設定を行う際に筆者は若干のトラブルがありました。

スマホアプリを利用するには自宅に無線LAN(Wi-Fi)環境があることが前提となります。筆者宅にもWi-Fi環境はあるため、問題なく設定できると思いましたが、設定が途中で失敗するという事態に見舞われました。

設定に失敗する理由の詳細が分からずに手探りで調べてみたところ、yeedi vac 2 proに搭載されているWi-Fiモジュールの対応規格がIEEE802.11b/g/nの2.4GHz帯のみとなっており、しかもセキュリティー規格ではWPA2までしか対応していなかったのです。

筆者はスマホでいつもIEEE802.11ax(Wi-Fi 6)の5GHz帯とセキュリティーにWPA3を利用していたため、規格が合わずに設定が途中で止まっていたのです。

結局、スマホ側のWi-Fi設定を一時的にセキュリティーのないIEEE802.11gに設定し直して無事にスマホアプリを利用できるようになりましたが、通信の仕組みなどに詳しくない人はここで頓挫していたかもしれません。

yeedi vac 2 proをスマホで利用したい場合は自宅のWi-Fi環境やスマホで普段利用しているWi-Fi規格をしっかりと確認しておくことをオススメします。


できるならWi-Fi 6(5GHz帯)とWPA3には対応しておいてもらいたかった

なお、一度スマホアプリとの連携が完了してスマホアプリからの操作が行える状態になった後はスマホのWi-Fi設定を元のWi-Fi 6+WPA3へと戻しても問題なく動作しました。

恐らく自宅に設置してあるWi-Fiルーターが複数の通信規格および周波数帯の同時利用が可能なタイプであったためだと思われるため、すべての人の環境で同様の動作が保証できるわけではありませんが、より安全にスマホを利用するためにも、基本的にはセキュリティーレベルの高いWi-Fi設定を利用することをオススメします。


スマートホーム家電は初期設定などで若干面倒なのが玉にキズ

またスマホアプリとの連携設定をする際、yeedi vac 2 pro本体からの音声案内がすべて英語であったことも若干不便を感じました。

スマホアプリ連携が完了してスマホアプリが使えるようになれば、スマホアプリから言語設定の変更などが行なえますが、本体のみではそのような機能を見つけることができませんでした。

日本向けに出荷しているモデルについては言語の標準設定を日本語にした上で出荷していただけるとより安心して利用できるように感じます。


スマホアプリでは日本語で設定案内が行われるため間違えることはなかったが、英語が苦手な人には若干不安だろう

■痒いところ……ならぬ、部屋の隅々に届く水拭きモード
それではいよいよ清掃です。まずは通常の吸引清掃のみ(吸引モード)を行いました。

yeedi vac 2 proはオプションとして取り付けられている部品が振動モッピングシステムなのか、それとも代用モジュールなのかを自動で判別して清掃プログラムを自動変更します。

代用モジュールを取り付けた状態では水拭きをしない吸引モードとして動作し、段差の少ないカーペットや玄関マットなども問題なく清掃してくれます。

さらに吸引モードではカーペットなどを検知すると吸引力を自動的に上げ、より強力に集塵してくれます。


電気カーペットの上なども問題なく清掃できる

S-MAX:ロボット掃除機「yeedi vac 2 pro」実機動作・その1
動画URL:https://youtu.be/jTv_PGKzC4Y

S-MAX:ロボット掃除機「yeedi vac 2 pro」実機動作・その2
動画URL:https://youtu.be/etOmADBATXs

次に水拭きモードです。yeedi vac 2 pro本体に振動モッピングシステムを装着すると自動的に水拭きモードとして認識され、清掃モードが切り替わります。

水拭きモードではカーペットなどを自動的に判別して清掃を回避します。

この時、非常に優秀だと感じたのはカーペットの際や壁際まで水拭きが行えるように本体を上手に回転させながら清掃を行う点です。

通常の吸引モードでは10分程度で終わっていた掃除ですが、本体を回転させてクリーニングクロスがある本体後部を部屋の隅々まで行き渡らせながら丁寧に掃除を行うため、18分程度かかっていました。

基本的には人が留守の状態や寝ている際に別の部屋を清掃させておくのがロボット掃除機のメリットですので、十数分程度の清掃であれば特に長いと感じることはなく、むしろあっという間に終わったという印象です。


段差の小さな玄関マットなどもしっかり判別してくれた

S-MAX:ロボット掃除機「yeedi vac 2 pro」実機動作・その3
動画URL:https://youtu.be/T-JJ6QeTh6Q

振動モッピングシステムは毎分最大480回の振動によって床面を拭き上げる機能(オプションパーツ)です。クリーニングクロスはマジックテープによって取り付けられています。

水拭きモードを使用してみて驚いたのは床が思いのほか汚れていたことです。1回の水拭き清掃でクリーニングクロスが真っ黒に汚れ、普段の掃除機での清掃だけではダメだと痛感しました。

とはいえ、我が家のフローリングには定期的にワックスも塗っているため、頻繁な水拭き清掃は逆効果となる場合もあります。

そういった場合にも水拭きモードと吸引モードをパーツ交換で簡単に変更できるyeedi vac 2 proは本当に手軽で良いと感じました。

なお、水拭き時の水量は低・中・高の3つから選択可能です。「中」モードで水拭き清掃を行った場合、床面は1〜2分ほどで乾きます。よほど汚れている場合などを除き、普段は低もしくは中での清掃で十分でしょう。


たった1回でこれだけ汚れた。何度か使うことでより綺麗になるだろう

ちなみにクリーニングクロスは手洗い(洗濯機可)が必要です。以前は自動洗浄および自動乾燥機能が搭載されたモデルがあったようですが、衛生面での不安もあり、このような方式となったようです。

さらに振動モッピングシステム内の水も清掃が終わったら空にすることをメーカーは推奨しています。


清掃するためのクローニングクロスで余計に汚さないためにも、クリーニングクロスの洗浄と乾燥はしっかり行いたい

■ゴミ捨てが圧倒的にラクになるセルフゴミ収集ステーション
そして清掃が終わった時に活躍するのがセルフゴミ収集ステーションです。

yeedi vac 2 pro本体に付属しているドッキングステーションよりもかなり大柄なドッキングステーションですが、タンクのように見える部分には集塵用のダストバッグが収納されています。

yeedi vac 2 pro本体が充電に戻ると自動的に本体側からステーション側へとゴミの回収が行われ、yeedi vac 2 pro本体のダストボックスには一切触れる必要がありません。


ダストバッグは紙製で一般的な掃除機用と似ている

セルフゴミ収集ステーションを利用しない場合、yeedi vac 2 pro本体のゴミを回収するにはダストボックスからゴミを取り出す必要があり、その際にホコリとしてゴミが飛散する心配があります。

しかしながら、セルフゴミ収集ステーションで用いるダストバッグは取り外す際にフタがされる使用になっているため、ゴミが飛散する心配もありません。

容量も大きくゴミ捨ての頻度も減らせるため、部屋に置くスペースがあるならセルフゴミ収集ステーションを設置したほうがより便利にyeedi vac 2 proを利用できるでしょう。


セルフゴミ収集ステーションには予備のダストバッグが1つ付いてくる

■難点は狭い場所の清掃と価格程度。ロボット掃除機で生活の手間を省こう
以上、高性能ロボット掃除機「yeedi vac 2 pro」の実機レビューをご紹介しました。

本機を操作できるスマホアプリにはさらに多くの機能があり、通常の清掃モード「クイックモード」のほか、部屋の隅々までしっかりと清掃を行う「高性能マップ機能」も設定可能です。

実際に使用した感想としては一般的な家庭であれば、クイックモードでも十分に部屋全体を清掃してくれる印象でした。


高性能マップ機能は清掃に時間がかかるのもネックだ

スマホアプリからは本体のファームウェアをアップデートする機能もあり、自動アップデート設定も可能です。

常に最新の機能と安心・安全な運用を可能とするためにも、ファームウェアのアップデートは自動に設定しておくと便利でしょう。


掃除機も随時アップデートする時代

スマホアプリからの操作や清掃予約、清掃場所のマップ登録機能、さらには清掃状況や動作状況を詳細に伝えてくれるメッセージ機能など、至れり尽くせりのロボット掃除機のyeedi vac 2 proですが、筆者が2週間ほど利用した素直な感想は「想像以上にとても快適」というものです。

さすがに清掃作業中は掃除機らしい音を発しますが、筆者宅では1階のリビングと床続きのキッチンの清掃に利用しており、外出中は当然として2階で就寝している最中でも騒音が気になることは一切ありませんでした。

むしろこれまでは2週間近くも清掃を忘れてしまうこともありましたが、そういった清掃忘れがなくなったことや清掃の面倒から開放されたことの喜びのほうが圧倒的に上回っていました。


棚の上に置かれたハンディ掃除機も出番が減りそうだ

難点があるとすれば、狭い場所が清掃できない点と価格です。

yeedi vac 2 proの本体サイズは直径が約35cm、高さが約7.7cmとなっており、これより狭い場所には入れません。

筆者宅では清掃残しがなるべく起こらないように就寝前に椅子の位置をずらしておいたり、できるだけまとめて空間を広く取り、yeedi vac 2 proが清掃しやすいように工夫しています。

自分で清掃を行う手間を考えればこの程度のことは大した面倒ではありません。またそれでも清掃残しが出てしまう場所は非常に限られるため、そういった場所のみハンディー掃除機などで清掃を行っています。

価格面ではyeedi vac 2 pro本体よりもセルフゴミ収集ステーションとのセット価格の高さが若干気になりました。

セットで通常価格が72,000円は白物家電としては特別高いわけではありませんが、お手頃というほど安くはないのも事実です。自動でゴミ回収を行ってくれるという機能はとても便利なだけに是非セットで購入したいという場合には価格面でももう少し安ければと感じました。


生活の手間を省くためのロボット掃除機なのだから、ゴミ捨ての手間もできるだけ省きたい

スマホアプリ連携設定などで若干の手間を感じつつも、しかし使ってみれば圧倒的に便利さが上回っていたyeedi vac 2 proは一度使うと間違いなく手放せなくなるスマートホーム家電の1つだと感じました。

清掃の手間をロボットに肩代わりしてもらい、その様子をスマホからのんびりと遠隔管理するというのは“スマホとともに生きる現代人”だからこそ受けられる恩恵でもあります。

まだロボット掃除機を使ったことがない人は是非、yeedi vac 2 proを使うことを検討してみてください。


これからは自宅の清掃もスマホで簡単に済ませる時代

yeedi vac 2 pro+ ロボット掃除機 自動ゴミ収集 吸引・水拭き両用 3D障害物回避機能 振動モップシステム 薄型設計 自動充電 スマートビジュアルマッピング、フローリング/畳/カーペット掃除
yeedi


記事執筆:秋吉 健

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